二番目でいいなんて、本当は嘘。
そのとき、秘書の男性が警備員室に戻ってきた。

「申し訳ありません。動物病院、いくつかあたったのですが、すでに時間外でした」

とくにケガもしていないようだし、救急外来に連れていくというわけにもいかない。
仔猫を拾ったくらいでは、「明日来てください」と言われるのがオチだ。


「社長、30分後から会議です」

秘書が桐生社長を促した。

「そうでした。困ったな……」

警備員さんたちも、
「ここに置くわけにはいかないしなあ……」
と首を振る。

万が一、警備員室で保護してくれたとしても、猫用のミルクまでは用意できないだろう。
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