元カレと再会した場合
驚いたことになんと、朔が第5選択室の場所をわかっていた。
正直わからないだろうと思ってたから随分驚いた。
あの空き教室から、ものの10分で第5選択室の前までついてしまった。
「ほんとありがと!朔!!」
「……腰抜かせてしまったからな、仕方なくだ」
優しいのか優しくないのかはっきりしない朔に、もうっ、ツンデレね〜!と言ったらおぶったままの私を落とそうとした。
「わっ、ちょっ!朔さん!?落ちる落ちるから!!」
ぐわんぐわん揺らしてくる朔に必死にしがみつく私。
「てかいい加減降りろよ…、もう着いたんだけど」
そう、第5選択室にはもう着いてるのだ。
だけど、まだ降りれない理由はただ一つ。
「私、多分……まだ立てない…………」
静かな廊下に私の声が響いた。