明治、禁じられた恋の行方

有名な絵画が売りに出された。
それを購入し、国に寄付したい。大々的に。

ある時、志恩は正隆にそう言った。

「国内だけでなく、海外にも名を広められます。
 そして、高額な絵画を庶民にも見れるように寄付することで、
 近衛家のクリーンな印象を刻みつけたい。」

ここまで何の失敗もなく上手くやってくれている志恩の提案に、正隆は何の疑問もなく頷いた。

反対する理由は、なかった。
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