花言葉
「…怖いよ…」
だんだん壁に追い詰められながら私の頭を過ぎった言葉は“絶望”
もう無理だと目を閉じた瞬間、
「ぐはっ、」
不良達のうめき声が聞こえた。
こわごわと目を開くと、そこには薄茶色に碧眼のとてつもなく整った顔の少年がいた。
そしてその少年の足元にはさっきの不良達が倒れている。
その光景に情報処理が追いつかず固まっていると、
「君、怪我は?」
その少年がしゃがみ込んだままの私に手を差し出しながら問う。
「…大丈夫、です」
少年はゆっくり簡単な言葉で話してくれたから、私も返事を返すことが出来た。