夏が残したテラス……
新しい風 ~海里~
しばらくは大阪での仕事が多くなりそうだ。再建が動きだせば、ホテルと大阪を行ったり来たりになる。
 それと、そもそも、このホテルのモデルとなったハワイのホテルの視察もある。

 とにかく忙しくなる前に、奏海と話をしなければならない。
 奏海が不安になってしまわないように。

 それに、もうこれ以上、俺の気持を抑える事なんて出来ない。他の男に取られるなんてまっぴらごめんだ。高橋の奴、奏海に迫りやがって、きっちり落とし前つけてやる。

 さあ、これからどうする?
 食事にでも誘ってみようか?
 喜ぶだろうか?
 驚くだろうか?

 俺はそんな事ばかりを考えて、大阪から奏海の待つ店へと向かっていた。


 俺は、奏海を食事に誘うチャンスを伺いながら、ダイブショップからチラチラと様子を伺っていた。

 忙しそうな奏海に近づいてみるが、奏海は俺を見ようとしない。今までそんな事は無かったのに。話かければ返事は返ってくる。でも、俺と目を合わせない。

 その上、高橋がやたらと奏海に話しかけている。俺が見ているのを承知の上でだ。
 まるで宣戦布告とでも言うような目で俺を見て来る。


 俺は、テラスに出た奏海を見て後を追った。


「どうしたんだよ? なにかあったのか?」
 
 気になって仕方ない俺は、奏海に声を掛けた。
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