Sign of Love
「そういうわけにはいきません。とりあえず今日は帰るよ。『来週は参加します』ってみんなに言っておいて」

「よし。じゃあ来週こそは坂巻さんも誘ってみよう」

「そしたらわたし行かないからね。栞那、先帰っちゃっていいよ、みんな待ってるでしょ? わたしは残業ついでにひとつ済ませておきたいことがあって」

「あんたって本当に真面目だよね。私は帰れるときは一秒でも早く帰るけど。明日でもいいことは、明日でいいやーってね。じゃあ、また来週ね」

 メイクを終えた栞那が、ポーチをショルダーバッグに戻しながら席を立った。

「うん。今日はありがとう」

 わたしは栞那を見送ってから、観葉植物の向こう側にちらりと目をやった。坂巻さんが飲み会に来るのなら行かないなんて言っておきながら、彼のことばかり気にしてもう半年。心にひとつ溜め息が落ちる。
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