Sign of Love
居酒屋やファーストフードの並んだ賑やかな通りを抜けて、線路沿いの道を並んで歩いた。水溜りにはまらないようにと、全神経を足元に注ごうとするけれど、腕がかすりそうな距離感ばかりに意識がいく。
「佐倉さんは何線?」
耳元に心地よい声が聴こえる。
「総武線です。阿佐ヶ谷に住んでいるので」
「知らなかった、隣だったんだね。僕は高円寺なんだ」
いくつもの電車の騒音が、わたしと坂巻さんの会話に割り込んできた。
そのまま何を話すでもなく一緒に駅まで歩き、総武線に乗った。金曜の夜らしく、飲み会帰りのビジネスマンと大学生たちで車内はごった返している。周りの人たちを背中でぐいぐい押しながら坂巻さんとの間隔を保つ。
目の前には雨で濡れてしまった肩。そのまま腕に視線だけを辿らせて、つり革を掴む手をそっと見上げる。
「どうかした?」
わたしの視線に気付いたのか、坂巻さんが不思議そうに自分の手を見遣った。
「あの、素敵な時計だなって思って」
「そう? ありがとう」
「佐倉さんは何線?」
耳元に心地よい声が聴こえる。
「総武線です。阿佐ヶ谷に住んでいるので」
「知らなかった、隣だったんだね。僕は高円寺なんだ」
いくつもの電車の騒音が、わたしと坂巻さんの会話に割り込んできた。
そのまま何を話すでもなく一緒に駅まで歩き、総武線に乗った。金曜の夜らしく、飲み会帰りのビジネスマンと大学生たちで車内はごった返している。周りの人たちを背中でぐいぐい押しながら坂巻さんとの間隔を保つ。
目の前には雨で濡れてしまった肩。そのまま腕に視線だけを辿らせて、つり革を掴む手をそっと見上げる。
「どうかした?」
わたしの視線に気付いたのか、坂巻さんが不思議そうに自分の手を見遣った。
「あの、素敵な時計だなって思って」
「そう? ありがとう」