Sign of Love
■4

 東欧の若手デザイナーが手がけたインテリアを集めているというこのカフェでは、晴れた日にはテラス席から満席になってしまうらしい。そんな説明を受けながら室内の一席に案内されたけれど、こちらもまた雰囲気が良かった。

 会話の邪魔にならないように緩やかに掛かるボサノヴァと、温かな色味のライト。丸みを帯びた無垢材のテーブルや、壁に飾られたアートデザイン、外国の雑誌。仕事帰りの寄り道には勿体無いくらい素敵なカフェだと思う。

今までどうして入らなかったのだろうと、店内を見渡しながら考えていると、坂巻さんがメニューを向けてくれた。一品一品がなかなか良いお値段で、財布の中身が心配になってきた。

「どうしようか。取り分けるか、プレートを個々に頼むか。僕はどっちでもいいけど」
「あ、わたしもどっちでも」

 そう言いながらも、コスト的に考えて選べるのはプレート一択だったから、オーダーはすぐに決まった。間もなく届いたグラスビールで乾杯する。
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