Sign of Love
「お洒落なお店ですよね。よく来るってことは、こういう雰囲気のお店が好きなんですか?」

「そういうわけでもないんだけど、ただ、家から本当にすぐ近くだし便利だから。帰りが遅いときなんかはちょうどいいんだよね」

「……なんか不思議な感じ。このあたりはわたしにとっても家の近所だから」
「もし佐倉さんもこの店を使っていたら、会ってたかもしれないよな」

 坂巻さんがさりげなく言った一言に、胸がどきんとした。

「高円寺にも大分長く住んでるから、色々開拓してみたいとは思うんだけど、ひとりだとなかなか。気楽に入れてバランスの良い食事ができる場所ってなると、意外とないんだよな。自炊すればいいんだけど、今は時間の方がほしいから」

 坂巻さんは毎日ほとんど残業だ。朝だって、わたしが出社する頃にはもう仕事を始めているか、会議に出てる。

ネットワークやPC関係のトラブル対応、システムの保守もある。だから、定時のあとから開発をしているなんて話を、前に総務部長から聞いたことがあった。
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