Sign of Love
「まあでも、何でもすぐ答えが返ってくるようになったのは助かるよなー。何があったか知らないけど、うちとしては万々歳よ。しかも坂巻さん超優しいし」

「おーい桐谷、話してばっかりいると帰れなくなるぞ」
 課長を飛び越えて、総務部長の新井さんから声がかかる。

「大丈夫ですって。口だけじゃなくて、ちゃんと手も一緒に動いてますから」
 栞那のふてぶてしい返しに、課の中からくすくすと声が漏れる。新井さんもこれには苦笑い。

 それでもこの一声が、昼休みまでのあと少しの間、集中するためのスイッチにはなった。
 一連の作業を始める前に、課長のPCにある共有フォルダから雛形をひっぱりだそう。と、思ったら。

「あれ」
「なに、どうした華美」

「やばい、ネットワーク繋がらなくなっちゃった。なんで?」
「坂巻さん呼ぼうか?」

 席を立とうとする栞那の腕を、思い切り引っ張った。

「やめてよ、絶対やだ」
 栞那が呆れ顔でわたしのモニターを覗き込む。
< 6 / 81 >

この作品をシェア

pagetop