Sign of Love
「素直に訊いたほうが早いのに。時間ないぞー」
「大丈夫、自分でどうにかするから」

 一人で悪戦苦闘している間に、時計の針が十二時を指す。栞那は席を立ち上がった。

「華美今日のランチ、電話番で残りだよね? 出てる間だったら私のPC使ってもいいけど、戻ってくるまでにはどうにかしなよ。じゃあね、お先」

「ありがと、行ってらっしゃい」
 取り敢えず栞那の席に移動して、後から必要になりそうな雛形ファイルを自分宛てのメールに添付する。

 社内ネットワークの修復にこれ以上時間をかけていたら、宅急便の集荷に間に合わない。千葉第二運営部へのメールはこの際後回しにして、先に書類発送の準備に取り掛かろう。

ちょっと不便だけどPCは就業後だ。嫌なことは後回し……というわけじゃないけど、今はシステム部も昼休みだし。

 心の中で言い訳をして、すっかり人が捌けてしまった事務所でひとり溜め息を落とした。

仕事は山のようにある。気分転換に、昼休み中だけエクセルを進めておこう。そう思ってドキュメントから保存したデータを開いた。
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