Sign of Love
缶ビールのプルタブを引きながら、優月くんは管を巻く。僕の家に来る前に、新宿で友人と散々飲んでいたらしいが、ここでまた飲み始めるのだから仕方がないか。

 明るい髪色とカジュアルな服装は一見大学生風だが、優月くんは有名なITベンチャーに勤めるプログラマーだ。夏に偶然知り合って、勢いで一緒に海へ行ったのがはじまりだったが、不思議な縁は今でも続いている。

 優月くんが缶ビールを僕に向けて掲げる。改めて自分の缶を優月くんの缶にぶつけた。

「まきちゃんってなんで彼女いないの?」
「なんで、と言われても」
 自分で言うのもなんだが、おおよそモテるタイプではない。

「メッセージしてた子、家まで送ってあげたんでしょ。そのあとちょっとくらい何かあったりしないのー?」

「何かって?」
「キスとか」

 ビールを噴き出しそうになった。僕が思いっきり咳き込んでいると、優月くんが背中をさすってくれた。
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