Sign of Love
「なんかさ、まきちゃんって大人しいようでいて、すぱっと潔いかんじあるからさあ。『この子だ』って思ったら、意外と積極的にいくんじゃないかなーって」

 言っていることは間違ってない。が、それは『この子』が佐倉さんだった場合の話だ。
 ……キス、か。

 柔らかい手の感触と、少し紅潮した頬。記憶の中で視線をたどらせると形のいい唇に、すぐに行き着く。好意は感じる。

とはいっても、相手が頭の中で想像するものが、イコール感情の深層とは限らない。それに、触れてみたいと思う欲求の正体がわからないままに、不用意な行為で傷つけるようなことはしたくない。

「優月くんは?」

「えー、俺? しばらく彼女はいいやってかんじ。ってなるのもさ、嫌な事実に気が付いちゃったからなんだけど」

「どうしたの?」
「あのさ、前に言ったじゃん? 中途入社したばっかの人がリーダーだったプロジェクトが、軽く炎上したって話」
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