願わくは、雨にくちづけ
その熱を確かめるように、立花はキスをひとつ落とす。
やわらかな唇が頬に触れて、一層火照らせると、彼は大きな手で包み込んだ。
「愛してるよ」
「私も、煌さんを愛してます」
綺麗な弧を描いた立花の唇と、見事なまでに凄艶な微笑みに、心が吸い取られるようだ。
(愛しくてたまらないよ、伊鈴)
立花は〝好き〟だとか〝愛してる〟なんて言葉では足りないほどの想いを、どうしたら伝えられるのかともどかしさを抱えた。
伊鈴の瞳に映る自分は、完全に恋に堕ちている男の顔をしていた。
どちらからともなく瞳を閉じ、そっと唇を合わせる。
感触を確かめ、やわらかさを食んで味わう。
音のない広い部屋に、キスの音が微かに響いていると気づいたら、伊鈴は少し恥ずかしくなった。