守りたい ただあなただけを
ラバル様と共に、王家が飼っている愛犬 ハチの散歩に行くのはいつも楽しかった。
身分の違いなんて、そんな安っぽい壁なんて王家と民の間にはなく、
街の人々と交流を深めながら夕焼け綺麗なハグワールの街を眺める。
「カズマ。今日もみんな生き生きしてるな。」
「平和な証拠でございます。」
「・・・俺がいつか父上から王の座を継いでも、この平和は守ってみせる。」
「ラバル様の人望と才があれば、
それは容易いことです。」
「俺が王になっても・・お前にはずっと傍にいてほしい・・我が友よ。」
「ハグワール家の為ならば、
地獄の果てまでも付いていきます。」
「おいおい!俺は地獄落ちか?」
「・・あ!いえ決してそういうつもりでは!」
「アハハハ!やっぱりお前は面白い男だ。
そらハチ!カズマ!
王宮までダッシュで帰るぞ!」
『ワン!』
「やっぱり帰りはトレーニングになりますか・・・。」