守りたい ただあなただけを


「それで・・治るのか?」


ヴィックスが主治医に話を聞くと・・主治医はその目を伏せた。


「・・・なぜ黙る・・?
何とか言え!!」


「ヴィックス殿、落ち着いて下さい。
ドクター、どうなのですか?」



「・・熱が下がらない・・・
・・・・薬が効かないのです・・!

解熱剤も・・感染症を和らげる薬を投与しても・・・

恐らくウイルスが骨の奥底まで届いていて・・このままでは・・・・。」


「“このままでは”、なんだ?」


「・・・命が危ない・・・。」


・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・なんだと・・・?



「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」



主治医、ヴィックス共に・・言葉を失ってしまった。


「お前医者だろ!!
何とかしろ!!!!」


直後、主治医の胸ぐらを掴むヴィックスを引き離し、私達は一旦医務室から廊下に出た。



< 69 / 431 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop