蒼い月と紅の灯火
こんなところにも妖狐の仲間が。
世間は狭いって、こういうことを言うんだなと思った。
「おまちどうさま」
蕎麦が運ばれてきた。
蕎麦独特の良い香りが鼻をかすめる。
「いただきます!」
とろろの汁を絡めて食べる。
弾力があって、味もしっかりとしていて美味しい。
普通に人間が作るよりも美味しいんじゃないかと思う。
「普通の蕎麦より美味しいね!」
「狐はヒトより鼻が効くからね、細かいとこまでよりこだわって作れるから美味しいんだよ」
確かに、その通りだと思う。
「ん? 蒼兎は食べないの?」
「食べてるよ?」
そういう蒼兎はあまり箸も進んでいない。
朝も少し無理して食べているようだった。