蒼い月と紅の灯火
「いや……」
「普通さ、恋人が異性にこんなことされてたら嫌だと思うけど? ましてや、好意を寄せてるやつなんて」
「……」
分かってる。
でも、嫌だと思えない私は一体何……?
蒼兎が嫌がるのも知っている。
私だってそうだから。
その上で、どうして朔夜を拒めないの?
「まぁ、いいけどね、ここまで揺れたなら」
「え?」
前から鋭く当たるような風が吹くと、朔夜はいつの間にか居なくなっていた。