蒼い月と紅の灯火
「悪い悪い」
「そっちの口調のが楽なの?」
「んー、まぁ、そうだな」
別にいつもの俺も偽ってるわけじゃない。
ただ、本心としての我儘かどうかってだけで……。
「変なの」
「朱里……」
「え……?」
急に呼び捨てにするものだから目を真ん丸にする朱里。
その表情もとても愛らしい。
呼び捨てじゃなかったのは、我慢するためだったから。
「急にどうしたの」
「意地でも逃げはしないんだな」
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