蒼い月と紅の灯火

【朱里side】




私を抱き締める朔夜は微かに震えていた。
どうして、そんなに震えているの……?




そんなに辛いのに、どうして向き合い続けられるの?




私には、分からない。
いや、本当は分かってるんだ。
なのに、見て見ぬ振りをしているんだ。




「朔夜……?」




「ん、そうだな」




何か決まったような表情になる。




「どうしたの……っ!?」




床に押さえつけられる。
見上げた朔夜の顔は、あの時見た、冷たい瞳だった。




「朔夜……?」




「んー、ごめんね? 朱里ちゃんもいつまでもうじうじしてるの嫌でしょ?」




「それは、でも……」




朔夜が何したいのかが読めない。
それなのに、いつも見透かした目をしている。




「俺のこと、好き?」




「そりゃ、好きですよ」




「どういう好き……?」

< 87 / 156 >

この作品をシェア

pagetop