エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
「だから、そういうセリフが軽いんですってば……」
彼の作り出すオトナな雰囲気に困り果てて、思わず眉が八の字になる。そんな私をからかうように、部長は余裕綽々の様子で頬杖をつき、顔をのぞき込んでくる。
「それで、社内恋愛に関する苦い思い出、そろそろ語る気になりましたか?」
「……え?」
「さっきのつまらない優等生回答は、本心ではないのでしょう?」
……うわわわわ。なんで、部長にばれてるの!?
明らかにうろたえる私の反応で、図星だということもあっさりとばれてしまい……。
「ほら、もっと飲んで、全部吐き出してしまえばいいんです」
カウンターの上で、部長がずい、と私の方へグラスを寄せる。
最初に一口飲んだだけで、度数の高さにくらくらしてしまいあまり口をつけていなかったそれは、部長の飲んでいるのと同じもので、妖し気な赤色のお酒が満たされている。
お酒は飲めなくないけど、強いわけでもない。こんなものを一気飲みして、意識なくならないかな?