エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~


「できないなら、口移ししましょうか?」

躊躇う私にしびれを切らしたらしい部長が、グラスを奪ってその手に持った。

「いえ、いいですっ、飲みますから、自分で……!」

この人に口移しなんてされたら、アルコールのほかになんかやばい神経毒が回りそう……!

パッと彼の手からグラスを奪い返した私は、ぐびっと喉を鳴らしてカクテルを飲み干した。

「あ、意外と甘い……」

口当たりの軽さに、拍子抜けした。しかし味のわりに度数は高いのか、喉を流れるときに熱い感覚がある。

「すみません、彼女にお代わりを」

部長が店主の男性に頼んでくれ、私の目の前には再び同じカクテルが置かれた。

今度はそっと口をつけ、その甘さにしっとり酔いしれる。うーん……これは、ついつい飲み過ぎちゃうタイプのお酒かもしれない。

「そろそろ話せそうですか?」

包み込むような優しい声に尋ねられ、私は催眠術にかかったような気分になった。

やっぱり、部長って軽い人だ。こうやって、お酒を飲ませて優しくして、女の人に気を許させるんだ。

ずるいなぁ……ずるいけど、この私も例にもれず、ガードがゆるゆるに下がっているのを感じていた。……そして。


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