エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
私は思わず頭を抱えて唸った。
部長は女慣れしているから、私の一挙一動でどうにかなったりしないだろう。そう思って、受け入れた関係だったけど……私、逆のことまで、頭が回っていなかったかもしれない。
つまりはそう、部長の一挙一動で、私の方がどうにかなっちゃうんじゃないかってことまでは、想定していなかった――。
「好きになったら、苦労するよ~あの手の男は」
「い、いじめないでよ露子ぉ……要は、好きにならなきいいだけでしょ?」
「仕事ができて、顔がいい、口もうまい、セックスもうまい。……言っちゃ悪いけどあまり経験豊富とはいえない巴じゃ、はまっちゃうような気がするけどね」
いくら親しい露子が相手でも、その発言にはちょっとムッとした。
露子はわりとクールだしベタベタした友情を好むタイプではないけど、人を傷つけるようなことは言わない。
でも今日の露子はなんだか冷たくて、言葉の端々に棘があるように思える。一体、なんで……?
「露子、なんかあった? イライラしてるように見えるんだけど……」
しかし私の発言は逆効果だったようで、さらに彼女を苛立たせてしまう。
「……ああそうだね、してるよ。職場の上司とセフレなんかよりよっぽどやらしー関係になってる巴のせいでね」
露子は強い口調でそう言ってビールを飲み干し、顔にかかるワンレンの髪をかき上げた。