エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
……ダメだよ巴。ダメ。真に受けちゃ、ダメ。これは、きっと本心からの言葉じゃない。
一誠さんはあの三人組を黙らせるために、わざと言っているだけだよ。
頭ではそう思えるのに、胸は勝手に熱くなって、どくどくと激しい鼓動を刻んだ。
「ま、まぁ~お熱いこと。それじゃ、お邪魔しちゃ悪いから行きましょうか」
「そうね。失礼します」
「お幸せに~」
私たちの元を去っていった三人組は、その後ほかのパーティー参加者の女性たちに囲まれて、質問攻めにあっていた。
三人はたぶん、皆の代表で私たちに近づいたのだろう。一誠さんと一緒にいる、謎の女の素性を知るために。
グラスを両手で包み込みながら俯いていると、私の腰に添えてあった一誠さんの手が離れて行って、彼のすまなそうな声が降ってきた。
「……巴、ごめん」
「いえ……」
私は首を振って、疑似恋人にふさわしい気丈な笑顔を浮かべようとしたけど……うまく笑えなかった。
一誠さんが謝ったのはきっと、私を好奇の目にさらしてしまったことや、あの三人組に色々言われたことに対してなのだと思う。
でも、私がショックだったのは、そんなことじゃなくて。