順番



「はい、わかりました」


疑うことなく、西野昴はそう返事した


二人で資料室に向かう道中でも俺の身体は疼いていた
まずいな、襲わなければいいが……



資料室に入って扉を閉め、後ろ手で鍵を掛けた



本来、資料室を使うときは扉を開けっぱなしにするように言われている

昔に夜に間違えて鍵を掛けられて女性社員が閉じ込められた事があったとか


大切な資料が保管されているので中と外に鍵があり、特殊な構造で外から鍵を掛けられたら中からは開けれなくなっている
そうなっては困るので鍵はちゃんとポケットの中だ


部長クラスになれば鍵の持ち出しが可能だ
扱う資料も重大となり鍵を掛けて人目に触れずに読むこともあるからだ
1日資料室に籠ることさえある




「木谷部長?」


何も言わない西野昴が不思議そうに俺を見た
その瞳に神経が昂る


「西野昴、俺と付き合ってくれ」

「え?」

「彼氏はいるのか?」



彼氏がいても奪うまで
溺愛する自身もあった
どんな女よりも自分の昂りを感じていたから
きっと俺にとって最後の女になるだろうとも考えていた


「あー、彼氏はいません」



戸惑いながらもはっきり答える
戸惑いは感じるが大きな動揺はなさそうだ
この容姿だ、告白なんて慣れてるのだろ
断ることも……





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