ちゃんと、食事しる! ☆ Kingの生きる道☆

姉は初めての店で、ちょっとしたイサカイがありつつ、それでもオーダーは全部たいらげて病室へと戻る。



父は、かけ布団を鼻が隠れる位まで被り、眠っていた。



『寒くないよ。』


いつも冷たい手をしていた父の言葉は、嘘だったみたいです。



私達の気配で少し目を開けると、あごでかけ布団を払って、顔だけ出した。


それが可愛らしくて、姉と二人で笑った。



『何?』


父が聞いた。



「んーん。おっとう、寒いの?」



姉が聞くと


『うん。』と言って、体を震わせた。


母は、こんなに暑い病室で布団を被っている父を理解出来ないらしく



『こんなに暑いのに、何で寒いの?』と



母なりに呟いたつもりの、大きな声。



父は…



もう怒鳴らない。



携帯を枕元近くに置いたらラジオに雑音が入るから、引き出しにしまって欲しいと言われた。



ラジオ派の父。

少し辛そうな父。


通りで昨日は、父からのメールが無いはずだ。



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