君の声を聞かせて





まぁ人気ありそうな人だよね…人懐っこい感じあるし。










やっと上まで登って錆び付いたドアを開けた。


ぎぃっと嫌な音がする。


春の香りが漂う風がフワッと一気に体中を包んだ。






「…あの日に似てるなぁ…」






聞こえるか聞こえないかくらいの声で先輩が呟いた。







「…?先輩?」






「あっなんでもない。気にしないで。ていうか、どうしたの?こんなとこまで来て。」






あ、そうだ本題に入らないと。
気になって仕方ないし。



「先輩はどうして私の名前を知ってたんですか…?」



「…さぁ?なんでだろうね?」



なにそれ…どうゆうこと?
だって私は他の学年どころか同じクラスの人ともろくに喋らないのに…



でも、もっと気になることがある。


「あと、あとなんで…」


私が言い終わる前に先輩からまさかの、


「心の声が聞こえないのかって?」


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