死にたがりティーンエイジを忘れない
日山高校の体育の授業には伝統があって、準備運動として必ず八分間走をする。
昔は十五分間走だったのが、授業時間の都合で半分になったそうだ。
だらだらと走ったり授業態度が悪かったりすると、何度でも八分間走をさせられる。
わたしたち、文系理系の特進クラスの合同体育では、さすがあちこちの中学の優等生が集まっているというべきか、最初の八分で終わらなかったことは数える程度しかない。
十月後半の肌寒い日、数ヶ月ぶりに、八分間走のやり直しを食らった。
先生の虫の居所が悪かったのかもしれない。
やり直しは二回。
合計二十四分で、特に最後の一回は全力疾走を命じられたから、かなりきつかった。
そう、きつかった。
これだけ走ったら、肌寒さがかえって心地よいくらいに体が熱くなるはずだ。
それなのに、わたしは震えていた。
寒くてたまらなかった。
汗がまったく出ていない。
無理やり前へ前へと体を進めていたのが、ひとたび走り終わってクールダウンを始めたとたん、わたしは動けなくなった。
めまいがするわけでも、気持ち悪いわけでもない。
ただ、体が重くてたまらない。
吸い込む息さえひどく重くて、抱えているのが面倒くさかった。
わたしは息を吐いた。
吐き切ると、ふわっと体が浮いた気がした。
逆だった。
気付いたら、グラウンドの土の上に倒れ込んでいた。