死にたがりティーンエイジを忘れない


最近は何もできていなかったと、改めて、そう感じた。

本を読んでいなかった。

唄を歌っていなかった。

CDを聴いていなかった。

小説を書いていなかった。


まともなところに戻ろう。

夏の間だけでも。


わたしは毎日、出掛けた。

バスや電車に乗って、隣の町の図書館やショッピングモールに行って、そこで勉強をしたり本を読んだり小説を書いたりした。


父はわたしの行動に何も言わなかった。

母はいくらか安心した顔をしながらも、警戒するような目で、毎日わたしに尋ねた。


「今日はどこで何をしてたの?」


琴野中二年生の悪評は、両親の職場にまで聞こえているらしかった。

母は、わたしが変なグループと付き合いを持つんじゃないかと、不安を覚えていたらしい。


バカバカしい。

うわべだけで仲良しのふりをした人たちとなんて、わたしは一緒にいたくもない。


わたしは正直に

「図書館に行って、課題を終わらせてから本を読んだ」

「ショッピングモールのフードコートで勉強した」

と、母に答えた。


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