死にたがりティーンエイジを忘れない


一人暮らしを始めてみたら、食事を、料理を、どうすればいいかわからない。


今までは、母や大叔母が作ってくれる料理を、好き嫌いしながら選んで食べればよかった。

一から選べるなら簡単かと思いきや、どのくらいの量をいつ食べればいいかわからないわたしに、食事の管理は難しすぎる。


夢飼いのバイトは、シフトが入っている日には何を注文して食べて無料、ということになっている。

わたしは、最初の二回だけ、マスターが「日替わりが余ったから」と出してくれたプレートをいただいた。

それ以降は、シフト上がりの時間が遅いことを言い訳にして断っている。


まかないを断る本当の理由は、食べられないメニューだからだ。

日替わりはたいてい揚げ物で、味の濃いソースもたっぷりかかっている。

もちろん白米も付いて、全体として量が多い。


響告大は男子学生の割合が高いこともあって、夢飼いのお客さんは大半が男性だ。

彼らが好むようなメニューと味付け、彼らを満足させるカロリーと量。

マスターの好意を無下にしたくなくて二回は食べたけれど、つらかった。


つらい、というこの感情は、罪悪感に似ている。

食事を取ると、まるで悪事を働いたかのような気分になる。

食べてしまった。

これはいけないことだ。

こんなに食べたら太る。

やせなきゃいけないのに。


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