死にたがりティーンエイジを忘れない
「カッコいい。蒼ちゃんらしいと思う」
「そう?」
「あっ、あの、今日初めて話したのに、勝手なこと言って、ごめんなさい。で、でもね、ほんと、蒼ちゃんは一匹狼っていうか……
カッコいいイメージなんだよ? まわりの人たちもね、何かすごいよねって、蒼ちゃんのことだけは言ってる。ほんとだよ」
「まわりにどう思われていようが、どうでもいいけど」
「そ、そっか……」
「でも、今こうして話してみて、よかったなって思う。同じ小説が好きな人と知り合えてよかった。
わたしが小説を書いてること、こっちに転校してきてからは、誰にも言ってない。言える相手なんかいないと思ってた」
智絵は顔を上げた。
そして笑った。
えくぼができた。
クルンとカールしたまつげの下で、やせているからひどく大きく見える目が、光を映し込んでキラキラした。
こんな笑顔になれる子が、クラスでは「暗い」と言われて、影に押し込まれているんだ。
智絵はわたしの小説を一編、読んでくれた。
その間に、わたしは智絵のスケッチブックを見せてもらった。
智絵のイラストも、二次創作がほとんどだった。
プロが作った世界観を借りて絵を描くのは練習になるから、と智絵も言った。