死にたがりティーンエイジを忘れない


「蒼ちゃんは、ここ、よく来るの?」

「そうだね。家にいても暑いし、ここか図書館にいる」

「また、会える? 夏休みの間に」

「いいよ」

「あたしは、美術室に行く日もあるんだけど……文化祭用の絵、もう描き始めてて。大きいサイズの油絵だし、オリジナルだから、時間かかっちゃうの。でも、学校に行くのは毎日ではないから」

「会いたいとき、前日に電話して」

「う、うん。あのっ、蒼ちゃんちは、おとうさんが最初に電話に出ることってある?」

「めったにないと思う。たいていは母が電話に出る」

「だったら、よかった。あたし、男の人や男子が相手だと、すっごい緊張して、しゃべれなくなるから……
学校でも、そうなんだよね。授業で、男の先生に当てられるのも、顔が真っ赤になって舌が動かなくなる」

「そうなんだ」

「あ、あのね、今もね、赤いでしょ? あたし、赤面症で……ほんとはね、家族の前とかではおしゃべりなんだけど、しゃべれるようになるまで、時間かかるの。いつも。
何かね、蒼ちゃんは不思議。初めてしゃべるのに、あたし、言葉がどんどん出てくる」


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