死にたがりティーンエイジを忘れない


わたしは、できるだけシンプルでいたい。

ゼロでよかったのに笹山が現れて、竜也もいて、そこからまた悩まなければいけないことが増えて。


「いらないんだってば」


面倒くさい。

本当に面倒くさい。


誰とも会いたくない。

誰とも関わりたくない。

もう何も期待されたくない。

誰かの理想どおりになんて動きたくもない。

失望させないようになんて、そんなに優しくなれるはずもない。


わたしは衝動に任せて、LOVEコングの掲示板に書き込んだ。


〈彼女がいるのに合コンに行く人って何なんですか? 浮気って、異性と話をしたら浮気になるんですか? 彼氏彼女はどこまで相手を束縛していいんですか? 束縛されなければならないという義務はあるんですか?〉


恋愛なんて、意味がわからない。

答えの出ないこんなものに振り回されたくない。


わたしは、目に付いた美容室に駆け込んで、背中まで伸びた髪をバッサリ切った。


頭が軽くなると、笹山の言いなりになっていた自分が、あまりにもくだらなく思えた。

嘲笑ううちに胃がキリキリ痛くなって、食べてもいないのにコンビニのトイレで吐いた。

吐いて吐いて、疲れ果てて顔を上げると、頭がガンガン痛んだ。


たまたまバイトのない日だった。

鎮痛剤と睡眠導入剤を飲んで、何も食べずに寝た。


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