シンデレラは騙されない


星矢君のナニーの山本さんと19時には交代しなければならない。
時計を見ると、その時間にはまだ余裕があった。

そして、凛様に帰る事を報告しないといけない。
私は更衣室で帰る準備を済ませると、とりあえず凛様にメッセージを入れた。

「今、終わりました もう帰ります」

すると、すぐに返信が来る。

「下のコンビニで待ってる」

……え? 
凛様、もう仕事終わったの?

すると、またメッセージが来た。

「待ち疲れた 早く来て」

私は慌ててコンビニへ向かった。
幸いだったのが、凛様が私の仕事場のフロアに迎えに来なかった事。
凛様の性格だと、自分の立場や役職なんて何も気にせずに、普通に私を呼びに来るはずだから。

コンビニに着くと、ガラス越しに凛様を見つけた。
いつもの雑誌コーナーで漫画を立ち読みしている。
私が店の外から凛様に手を振ると、凛様は私に気付いてちょっとだけにやけて目配せをした。





< 113 / 290 >

この作品をシェア

pagetop