シンデレラは騙されない


綾さんの夏休みはもう終わろうとしていた。
そして、私が斉木家へ戻る日が近づいてくる。

夏ももうすぐ終わる。
夏が終わるとすぐに秋が来て、そして冬になる。

とにかく、星矢君のお世話は最後までやり遂げなきゃ…
インターナショナル系の私立の小学校のお受験ももう間近に迫っている。

凛様との秘密のデートの思い出は、私の心のアルバムに仕舞い込もう。
そして、斉木家との契約が終わるまでは、そのアルバムに鍵をかける。
契約期間まで何事も起こらない事を祈りながら。

久しぶりに私が斉木家へ戻ると、今日帰国のはずの綾さんが私を待っていた。
私の顔を見てから空港へと向かうと言う。

私と綾さんは、リビングで一時間程お茶をした。
綾さんは星矢君の学習面の進捗状況が知りたかったらしく、そして、その上で受験のための相談も兼ねて私にたくさんの質問をした。




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