シンデレラは騙されない

浅い眠りの中、私はドアが開く音を聞いた。

……鍵、かけたよね？

私は怖さが先に立ってドアの方を見る事ができない。
毛布にくるまり静けさの中で耳を澄ませていると、また、バタンと大きな音がした。

私は怖さで震えながら、でも、様子を見に行く決心をする。

「だ、誰ですか？」

寝室のドアを開けてそう尋ねても、もちろん返事はない。

私が勇気を出してリビングの電気をつけると、そこにはソファから転げ落ちて倒れている凛様がいた。