私は強くない
慶都と呼びたかった、と名前を呼びながら何度もキスをした。そのキスがだんだんと激しさを増してきて、唇に熱いものが、入ってくる。

「…んっ…」

「……っ」

服に手をかけた。
優しくも、強く私を暴くその手は、敏感な所に届いた…

そして、指先で私の弱い所を甘い刺激を与えてくれる。
はだけた胸に、埋められた彼の頭を強く抱きしめた。

「…慶都」

「…っ、あっ……」

自分の声じゃないような声が漏れる。
恥ずかしい。
だけど…

「……あ…っ、あっ…」

「…ここか?もっと見せてくれ…」

こんな名取課長見た事がない。
言葉をかけながら、私を崩していく…
私の中で、激しくも翻弄される。
波のように、引いては返す絶え間ない快感が私を襲う。

乱れる呼吸、漏れる声…
さらに激しさが増してきた。

名取課長の、彼の身体も熱くなっているのが分かった。
私の胸から顔を上げた彼の額には、汗が滲んでいた。

「…な、名取課長…っ」

その額の汗を手で拭い、再び唇を塞がれ、舌が絡み合う。
もう、だめ…

「…きて…」

私は、彼を求めた。

そして、彼が私の中に入ってきた。
最初はゆっくりと、だけど、奥まで入ると、その動きが激しく…、私もその動きに合わせ…

「…あ…っ」

「…っ、慶都…」

何度も突き上げられ、その度に声が漏れた。

もっと声を聞かせて、と。
名取課長は耳元で、囁きながらその耳を甘噛みする。

「…あぁ…っ」

「慶都っ、愛してる」

「…私も…っ、愛しっ……」

愛してる、そう言おうとした言葉を唇で塞がれ、最後は言葉にならなかった。



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