私は強くない
私が平然と紹介したもんだから、3人とも目が点になってしまった。

「なんで?なんでなんですか!」
「慶都、いくらなんでもおかしいだろ」
「慶都さん、何考えてるんですか!」

3人が、言ってる事は分かる。
私も同じ事を考えていたんだから…

「…あ、あの…」

ここに来て、と私に言われ来た、浜口香里も3人から罵声とも取れる言葉をかけられて、戸惑っていた。

「浜口さん、紹介しとくわね。こちらが、私が今付き合っている人。名取さん。で、彼女が私の会社の後輩、木村さんで、その彼氏金谷さん。この2人は拓真の同期よ」

「…あ、浜…口です…」

私に紹介された3人に頭を下げ、自分の名前を名乗った彼女。その彼女に無言の圧をかける3人。
圭輔さんは、今までで一番冷たい目で彼女を見ていた。

「…聞いてほしいの。みんなに」

「聞くって、何を」

「そうですよ、何を聞くんですか!」

圭輔さんや美波は、聞く事なんてない、って聞く耳を持ってくれない。
でも、金谷君だけが、聞きましょうって言ってくれた。

「金谷君ありがとね。圭輔さん達が憤るのも分かってる。でもね、彼女…浜口さんもある意味被害者よ、拓真の」

「え?」
「どう言う事だ?」

私はここ数日の話をした。
圭輔さんは、なんで話してくれなかったんだ!って怒ってた。

「圭輔さん。私だって、話をしようと思いました。でも、これ以上拓真の事で圭輔さん達を巻き込みたくなかった。私で解決出来るなら、って。でもその後で、後悔したんです。話を聞いてもらえばよかったと。…ただ、浜口さんの話も聞いてあげてほしいんです」

「君から、奥菜を奪った女の話をなんで聞かなきゃならないんだ?」

「そうですよ!慶都さん、人が良すぎます」

「ううん、違う。私がもしかしたら彼女と同じになってたかもしれない、って思ったら、他人事じゃない、って思ったの」

「…ごめんなさい。や、やっぱり帰りま…」

「帰らなくていいから。3人はいい人よ。心配はしなくていいから」

「…だけど…」

「好きなんでしょ?拓真の事」

黙って頷く、香里。
それを見た、美波が

「嘘、あれだけの事されて、まだ好きなの?あんな奴。どこがいいのよ」

「え、どこって…」

顔が赤くなり、しどろもどろになる、香里を見た美波がさらに突っ込む。

「な、な、なに…その純情みたいな反応!もしかして、初めての相手だったの?」

叫んだ声が大きく、美波の口を慌てて押さえた。
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