あの日のメロディー

松延莉奈side

九条さんのピアノの音色に私は吸い込まれた。
綺麗な音が部屋に響く。
「凄い、、初めて弾く曲とは思えない。」
「天才。。。」
「ってほんとに。。」
「いるんだ。、、」

素人でも聞いてすぐに分かってしまう。九条紅葉は天才だ。

でも、そのとき、突然九条さんが過呼吸で倒れて保険医を呼びに行こうとした時、教室に来た朝比奈くんがすぐに九条さんに駆け寄りお姫様抱っこして出て行ってしまった。



九条さんをお姫様抱っこで抱えた朝比奈くんと今藤ちゃんが出て行くと沈黙が続いた。

「朝比奈と九条って知り合いなのか、、?」

クラスのお調子者の清水が口を開いた

『‥‥』

「で、でも!朝比奈くん確かに“もみじ“って呼んでたよね、、」

「朝比奈くんが女子の名前呼び捨てで呼んでるの初めて聞いた、、」

みんなが頷く。確かにわたしも見たことないなっと思った。
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