重なるてのひら ~ふれあう思い~
「ただいま。」

玄関に飛んで行くと、ギュッと抱きしめてくれる。

それだけで安心する。

彼氏の先生は、ドキドキするけど

先生としての先生は………誰よりも安心感がある。

さっきまで、涙も引いてご飯だって用意してたのに………

先生に抱きしめてもらうと………急に弱くなる。

「ほら、尋………奥に行くよ。」

着いていく後ろ姿に「今日はいつまでいられるの?」と呟いてみる。

ピタッと止まって………

「ごめん、出来るだけいてやりたいけど……。」と

そうだよ。分かってること。

先生を困らせちゃダメだって思うのに………涙が溢れる。

「みんな………ヒック………置いて行く…………クッ。
誰も…………私を…………ヒック…………一番にしてくれない。
先生~……………………淋しいよぅ…………クッ……………。」

一度溢れだした思いは………

一番言ってはいけない人にぶつけてしまう。

「ごめんなさい。……………ヒック……ごめんなさい先生。
お願い…………嫌いにならないで!
もう言わない。…………ヒック……困らせないから………
置いて行かないで!……………………ヒック……。」

子供のように泣きじゃくって………先生にすがる。

そんな私に先生は

ただ強く抱きしめ続けてくれた。
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