独占欲強めな御曹司は、ウブな婚約者を新妻に所望する
「……橙花、その仕草は嬉しいけど、今から戻らなきゃいけない俺には拷問だな」
彼が色気のこもった声を私の耳に落とす。その囁きに思わずパッと身体を離そうとすると逆にがっちりと抱え込まれてしまう。
「だけど、せっかくの橙花からのお誘いだから、受けないわけにはいかないよな? 可愛い嫉妬もしてもらったし?」
トン、と後ろに押し倒されて、私は軽くパニックになってしまう。背中に感じる彼の腕とシートの感触。私を見下ろす彼の妖艶な眼差しが真っ直ぐに私をとらえる。
「ちょ、ちょっと待って!」
一気に火照った顔で焦って彼に叫ぶ私。
その瞬間、カリ、と彼が私の鼻を噛んだ。
「なっ!」
思わず鼻を押さえる私を、彼が楽し気に見つめる。
「一方的に避けられた仕返し。それとそんな可愛い顔を見せられて我慢しなければいけないんだから、これくらいは許せよ?」
「な、何を言って……!」
ボッと顔に熱が集中する。
「あー、会社に戻りたくない」
そう言って彼は私を抱き起こしながら、私の左肩にコトンと頭を乗せた。こんな彼の姿は初めて見る。いつも近寄りがたいくらいに隙のない完璧な、誰もが憧れる副社長なのに。
だけど、こんな無防備な姿を見せてくれることが嬉しい。私は特別なんだって少しは自惚れていいのかな?
「あの、今から戻るって……」
「ああ、橙花の誤解を解かなきゃって脱け出してきた」
顔を上げて、しれっという彼に私は違う意味で慌ててしまう。
「ご、ごめんなさい! そんなに忙しい中、迷惑をかけてしまって……!」
この人は副社長だ。彼が判断をすべき仕事は絶え間なくある。脳裏に忙しなく動き回る柿元さんの姿が浮かぶ。間違いなく柿元さんに迷惑をかけているだろう。
彼が色気のこもった声を私の耳に落とす。その囁きに思わずパッと身体を離そうとすると逆にがっちりと抱え込まれてしまう。
「だけど、せっかくの橙花からのお誘いだから、受けないわけにはいかないよな? 可愛い嫉妬もしてもらったし?」
トン、と後ろに押し倒されて、私は軽くパニックになってしまう。背中に感じる彼の腕とシートの感触。私を見下ろす彼の妖艶な眼差しが真っ直ぐに私をとらえる。
「ちょ、ちょっと待って!」
一気に火照った顔で焦って彼に叫ぶ私。
その瞬間、カリ、と彼が私の鼻を噛んだ。
「なっ!」
思わず鼻を押さえる私を、彼が楽し気に見つめる。
「一方的に避けられた仕返し。それとそんな可愛い顔を見せられて我慢しなければいけないんだから、これくらいは許せよ?」
「な、何を言って……!」
ボッと顔に熱が集中する。
「あー、会社に戻りたくない」
そう言って彼は私を抱き起こしながら、私の左肩にコトンと頭を乗せた。こんな彼の姿は初めて見る。いつも近寄りがたいくらいに隙のない完璧な、誰もが憧れる副社長なのに。
だけど、こんな無防備な姿を見せてくれることが嬉しい。私は特別なんだって少しは自惚れていいのかな?
「あの、今から戻るって……」
「ああ、橙花の誤解を解かなきゃって脱け出してきた」
顔を上げて、しれっという彼に私は違う意味で慌ててしまう。
「ご、ごめんなさい! そんなに忙しい中、迷惑をかけてしまって……!」
この人は副社長だ。彼が判断をすべき仕事は絶え間なくある。脳裏に忙しなく動き回る柿元さんの姿が浮かぶ。間違いなく柿元さんに迷惑をかけているだろう。