独占欲強めな御曹司は、ウブな婚約者を新妻に所望する
柿元さんと話をしてすぐ、私は姉に連絡を取った。ふたりが今日、大輝さんの部屋でデートをしていることを知っていた私は本当に運が良かった。

早口で事情を説明し、大輝さんを連れてきてほしいと姉に頼んだ。姉はふたつ返事で了承してくれた。
恐らく有能な姉は、この部屋に来るまでの間に私が姉に説明したことを大輝さんに話してくれているだろう。

煌生さんの自宅にやってきた彼は煌生さんを心配していた。けれど明らかに困惑し、不機嫌だった。

「……だからなんで俺が」
どこか副社長に似た仏頂面の大輝さんと共に広いリビングのソファに座り、私と柿元さんは彼らの前に立っている。

「大輝くん、橙花ちゃんのお願いなんだから力を貸してあげてくれない? ねえ、橙花ちゃん、私にもできることある? 極秘事項については部外者の私は関わらない方がいいってわかるのだけど」
「あ、ええと……すみません、柿元さん」

どう判断してよいかわからず柿元さんに視線を向けると、全ての進捗具合を把握している彼がノートパソコンを取り出し、画面を彼らに向けてセンターテーブルの上に置いた。
「新サービスの詳細以外は今回特に極秘事項はございません。既に発表しているものがほとんどです。そして現在準備についてはこういった段取りになっています」

「ふうん……あ、ねえ、じゃあこの橙花ちゃんの衣装、メイクっていう当日の準備関係について私が担当していい? そうしたら橙花ちゃんもこのパーティーに問題なく参加できるよね?」
ノートパソコンの画面を覗きこみながら、姉が明るく言う。その姉に柿元さんは頷く。
「そうですね。その手配も元々は副社長がなさっていたので、ほぼ準備はできているのですが、最終的な打ち合わせ等がまだ若干残っておりますので」

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