独占欲強めな御曹司は、ウブな婚約者を新妻に所望する
胸の中から抑えきれない気持ちが溢れだして、私の涙腺はとうとう崩壊してしまった。
「……なんで、そんなこと、今になって……!」
言いたい言葉も伝えたい気持ちもたくさんあるのに、どれひとつ上手く口から出てこない。
「それでは皆様、もうしばらくパーティーをお楽しみください」
私たちの様子に気づいたのか、社長が目配せをした。
煌生さんは一礼をし、おぼつかない足取りの私の腰を抱いたまま、パーティー会場から連れ出し、近くにある控え室に入った。
パタン、とドアが閉まった途端、彼は私を正面から強く抱きしめた。
「驚かせてごめん。でも橙花が俺から離れていくのは耐えられない。橙花が好きだ。どんな時も真っ直ぐ正面からぶつかっていく橙花が、仕事や自分の役割に真摯に取り組む橙花が、そのままの橙花がどうしようもないくらいに好きなんだ」
私と彼の隙間がなくなるくらいの強い力で、彼が私を抱きしめる。
「……だからってこんなの、反則だよ……」
涙声で反抗する私の声は掠れていた。彼がそっと私の顔を覗きこむ。薄茶色の瞳は蕩けそうなほど甘い。
「私だってあなたが好きなのに……!」
膨らんだ想いが言葉になって溢れだす。新たな涙が頬を伝っていく。
「うん、知ってる」
そう言って彼は私の涙に口づける。その余裕がなんだか憎らしい。
「私がどんな想いで今まで……! 婚約者としか言ってくれないくせに思わせぶりなことばっかりして……!」
ああ、何を言っているんだろう。
こんなのただの八つ当たりだ。
まるで告白してくれなかったことが不満で文句を言っているみたい。そんなみっともないことをしたいわけじゃないのに。私だってずっとぎりぎりの曖昧な態度をとってきたのに。きちんと自分の気持ちを伝えたこともなかったのに。
「……なんで、そんなこと、今になって……!」
言いたい言葉も伝えたい気持ちもたくさんあるのに、どれひとつ上手く口から出てこない。
「それでは皆様、もうしばらくパーティーをお楽しみください」
私たちの様子に気づいたのか、社長が目配せをした。
煌生さんは一礼をし、おぼつかない足取りの私の腰を抱いたまま、パーティー会場から連れ出し、近くにある控え室に入った。
パタン、とドアが閉まった途端、彼は私を正面から強く抱きしめた。
「驚かせてごめん。でも橙花が俺から離れていくのは耐えられない。橙花が好きだ。どんな時も真っ直ぐ正面からぶつかっていく橙花が、仕事や自分の役割に真摯に取り組む橙花が、そのままの橙花がどうしようもないくらいに好きなんだ」
私と彼の隙間がなくなるくらいの強い力で、彼が私を抱きしめる。
「……だからってこんなの、反則だよ……」
涙声で反抗する私の声は掠れていた。彼がそっと私の顔を覗きこむ。薄茶色の瞳は蕩けそうなほど甘い。
「私だってあなたが好きなのに……!」
膨らんだ想いが言葉になって溢れだす。新たな涙が頬を伝っていく。
「うん、知ってる」
そう言って彼は私の涙に口づける。その余裕がなんだか憎らしい。
「私がどんな想いで今まで……! 婚約者としか言ってくれないくせに思わせぶりなことばっかりして……!」
ああ、何を言っているんだろう。
こんなのただの八つ当たりだ。
まるで告白してくれなかったことが不満で文句を言っているみたい。そんなみっともないことをしたいわけじゃないのに。私だってずっとぎりぎりの曖昧な態度をとってきたのに。きちんと自分の気持ちを伝えたこともなかったのに。