僅か30センチの恋

多田「いえ。ビール注文しておきました。」

李人「ありがとう。」

服装が違うせいだろうか。
以前会った時よりも
多田さんは饒舌だった。

多田「今日はどうしたんですか?」

李人「あー、うん。
こんな事、俺が言うのは
おこがましいと思うんだけど
多田さん、大丈夫かなと思って。」

多田「何がですか?」

李人「ほら、社内で色々と噂されてるし。
あんまりいい印象を持たない
噂ばかりだから。」

プライベートはおろか
社内でもほとんど会わないけど
多田さんのその笑顔を見たのは
初めてだった。
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