僅か30センチの恋

李人「確かに多田さんの状況と
俺の状況は似ている。
だから、多田さんが自信を
持てない気持ちも分かる。
でも俺は男だから、多田さんの
気持ちよりも彼の気持ちの方が分かる。」

多田「どうゆう気持ちなんですか?」

李人「好きな人に彼氏が出来た。
そう聞いて嬉しいと思う男はいない。
でも、親しい間柄なら尚更
祝福したいとも思うんだ。
何度も言ったよ。俺もスズに。
おめでとう。幸せになれよ。って。
心の底では思ってないけど
あまりにもスズが幸せそうだったから
そう言わざるを得なかった。」

多田「翔吾は...私の事...?」

李人「分からないけど、多分。」

多田さんに訪れたチャンスを
不意にしたくはなかった。

例え、俺が幸せになれなくても
協力してくれた多田さんにだけは
幸せになって欲しい。
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