僅か30センチの恋

李人「これ置いて行くから。
好きなだけ飲んで。
呼び出したくせに先に帰るなんて
有り得ないって分かってるけど...
スズが待ってるんだ。」

多田さんは俺の置いた1万円札を
指に挟むと満面の笑みを浮かべた。

多田「行って下さい。
私はこのお金で存分に楽しみます。
木山さん、頑張って下さいね!
後、ご馳走様です。」

今までの人生の中で
スズ以外に信用出来る女の人に
出会ったのは初めてだ。

多田さんのような人に出会えて良かった。
スズ以外の人間の事をそう思ったのは
初めてだった。
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