僅か30センチの恋
今日もまた会社に戻ると
余裕で定時を過ぎていた。
いつもの事と思いながらも
ため息をつかずにはいられなかった。
例えば、もしも俺とスズが
付き合ってたなら今ここで
ため息をつく事などなかった。
仕事の事ではない。
俺の悩みはいつもスズとの事だ。
それさえ上手くいけば
俺はどんな事でも
上手くいくような気がしていた。
スズさえいれば...
いつもそんな事を考えていた。
聖夜「よっ!」
いつもならこんな時間には
会社にいない聖夜が
缶コーヒー片手に
営業部へとやって来る。