僅か30センチの恋

今日もまた会社に戻ると
余裕で定時を過ぎていた。

いつもの事と思いながらも
ため息をつかずにはいられなかった。

例えば、もしも俺とスズが
付き合ってたなら今ここで
ため息をつく事などなかった。

仕事の事ではない。
俺の悩みはいつもスズとの事だ。

それさえ上手くいけば
俺はどんな事でも
上手くいくような気がしていた。

スズさえいれば...
いつもそんな事を考えていた。

聖夜「よっ!」

いつもならこんな時間には
会社にいない聖夜が
缶コーヒー片手に
営業部へとやって来る。
< 97 / 230 >

この作品をシェア

pagetop