アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「兄君、海未は元気ですか?両親は?」

蒼絃がクスッと笑う。
「元気だよ。いつも碧斗を通して報告しているだろう?」

「あぁ、そうですね。――兄君もお元気そうでよかった」
そう言いながら、飛香の瞳から涙が零れる。

「どうした?」

「いえ、うれしいだけです。兄君と会えて」

「もしかして、お前……」

「え?」

「戻りたくなったら、碧斗に言いなさい。いつでもなんとかするから。でも朱鳥、そこでならお前は道を切り開くことが出来る。だから送ったんだよ」
そう言い残し、蒼絃は鏡の中から消えていった。

鏡の前に座ったまま飛香は溢れる想いのままに、涙を流した。

兄が言いかけた言葉はなんだったのか。

――兄君、私の脳裏に浮かんだあの人が見えましたか?
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