アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
頭中将にそっくりな彼のことを考えていたことが、兄君にはわかったのですか?
洸さんはよく似ています。

結婚するためにお見合いをすると言いながら、私を誘う洸さん。妻を迎えるのに、また会いにくるという頭中将と、そんなところまで似ていなくていいのに。
そう思ったらまた泣けてきた。

違う道を探しに、千年の時を超えてきた。それでも結局、運命には逆らえないのだろうか。
膝の上で握り締めた手の甲に、ぽたりぽたりと涙が落ちる。

『でも朱鳥、そこでならお前は道を切り開くことが出来る。だから送ったんだよ』

――兄君。
私に力をください……。

何か新しいことを始めよう。
少しでも自分に自信を持てるように。前に進むために。

そう思って兄に願ったのは、働きたいということだった。


「西園寺家で、メイド?」
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