アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
ふと疑問に思う。
先週末はふたりでまた海を見に行った。今日は一緒に映画を見て、こんな風に部屋に遊びに来たりしているけれど、これでも自分たちは友達なのだろうか?
平安の都では、男女がふたりきりで度々会っていたら、それはもう恋人という関係になるだろう。ただ、ふたりの間には会っているという以上の何もない。
『友だち同士で会うのは自然なことだよ?』
洸にそう言われ、兄も渋々ながら納得してこうして会っているが、うっかりすると自分でもわからなくなる。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
こんな風に、正面に座った洸に見つめられるとドキドキと胸が高鳴ってくる。
ーー友達ならこんな風にドキドキしたりはしないだろうに。
コーヒーを口にしながら、飛香はそんなことを思い頬を染めて俯いた。
「飛香、仕事はどう?」
「楽しいです!ほんとに。なんていうか働いてお金をもらうっていうことが、すごくうれしくて。私でも出来ることがあるって教えてもらえてアラキさんには本当に感謝してます」
「そっか、よかった。英語の方はどう?家政婦さんに教えてもらってるんでしょ? 嫌にならない?」
「はい。新しいことを覚えるのは楽しいです」
先週末はふたりでまた海を見に行った。今日は一緒に映画を見て、こんな風に部屋に遊びに来たりしているけれど、これでも自分たちは友達なのだろうか?
平安の都では、男女がふたりきりで度々会っていたら、それはもう恋人という関係になるだろう。ただ、ふたりの間には会っているという以上の何もない。
『友だち同士で会うのは自然なことだよ?』
洸にそう言われ、兄も渋々ながら納得してこうして会っているが、うっかりすると自分でもわからなくなる。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
こんな風に、正面に座った洸に見つめられるとドキドキと胸が高鳴ってくる。
ーー友達ならこんな風にドキドキしたりはしないだろうに。
コーヒーを口にしながら、飛香はそんなことを思い頬を染めて俯いた。
「飛香、仕事はどう?」
「楽しいです!ほんとに。なんていうか働いてお金をもらうっていうことが、すごくうれしくて。私でも出来ることがあるって教えてもらえてアラキさんには本当に感謝してます」
「そっか、よかった。英語の方はどう?家政婦さんに教えてもらってるんでしょ? 嫌にならない?」
「はい。新しいことを覚えるのは楽しいです」